
「サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト」(SPP)は、児童生徒の科学技術、理科、数学に対する興味・関心と知的探究心等を育成するとともに、進路意識の醸成及び分厚い科学技術関係人材層の形成を目的として、学校等と大学・科学館等との連携により、科学技術、理科、数学に関する観察、実験、実習等の体験的・問題解決的な学習活動を実施するものです。
長崎日本大学中学校は、見事プランAとして採用されました。本校の取り組みは、諫早湾干拓地環境保全型農業についての研究で、中学2年生がその研究にあたります。

研究内容は、
・諫早湾干拓地の歴史
・諫早湾干拓地の土壌調査
・収穫物の調理法
・環境保全型農業の研究
・営農の研究
以上の5つです。
ところで、環境保全型農業ということばを聞いたことがありますか。環境保全型農業とは、農薬などを使わず環境に対する影響をなるべく軽減させる農業のことです。たとえば農作物を荒らす害虫アブラムシなどを、その天敵テントウムシを畑に放すことによって駆除し、作物を無農薬で栽培したり、土壌を改良し、化学肥料の使用をなるべく抑えるなどの工夫をする農業のことです。
第1回SPPでは、長崎県農林技術開発センター干拓部の小林先生、九州大学の研究員桜井先生より講義をしていただきました。
まず、小林先生が諫早湾干拓地の歴史や農機具の紹介など、スクリーンを使いながらわかりやすく説明してくださいました。それによって、諫早湾干拓が、昔から行われていたことを知り驚きました。

次に九州大学の桜井先生が環境保全型農業について講義されました。その中で特に興味を持ったのは、天敵を使った害虫駆除の方法でした。講義の中では、作物にとっては害虫となる虫のさなぎに、天敵である蜂が卵を産み付ける瞬間を実際に見ることができ、驚きとともに印象に残りました。

平成21年5月28日、実際に干拓地に行ってジャガイモの収穫体験を行いました。長崎県農林技術開発センターの方々に、干拓地での農業について説明していただいた後、早速、ジャガイモの収穫をしました。
まずは機械による収穫。土の上の部分の茎を抜き取り、ジャガイモを掘り起こすところまでは機械がやります。その後のジャガイモを拾って箱に入れる作業を手伝いましたが、それだけでもかなりの肉体労働だということを実感しました。次に先ほどは機械でやった作業から自分たちの手でやってみました。……農業に従事されている方々に頭が下がる思いです。

ところで、収穫中にたくさん目にしたテントウムシ。実はこれがジャガイモにとっての害虫であるアブラムシの天敵だったのです。ジャガイモ畑のすぐ脇には麦が育てられています。この麦が鍵を握っているのです。というのも、ジャガイモが育つ前に、育った麦についたアブラムシを餌として繁殖したテントウムシが、ジャガイモの害虫駆除に役立っているというわけです。ここ諫早湾干拓地の一角は、そうした生物の特性を生かした、環境に優しい農業、つまり環境保全型農業の研究地なのです。
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